信頼のおける部品加工
不二工機製造(FS WORKS)と普段お付き合いのあるメーカー様にインタビューを実施。今回は駆動系ユニットの専門メーカーである株式会社ユニバンスのご担当者様に、自動車業界の変革に際して不二工機製造に求めるパートナーシップついて語っていただきました。
インタビュー:技術開発センター 工機開発課 花田 紀彦様
【会社概要】
会社名:株式会社ユニバンス
所在地:静岡県湖西市鷲津2418(本社)
事業内容:自動車部品等の製造および販売
ユニバンス様における現在の課題
社内で消化できない製作品
花田様:当社が社外のメーカーに発注するものは、社内量産設備用や試作設備用の部品加工、および一部設計を含んだ部品の製作です。材質はアルミやステンレスなどもありますが、ほぼ鉄系の部品加工です。
自社にも加工設備はありますが、基本的に自社では研磨や仕上げ加工がメインとなっています。人手不足の時流もあって、近年は人員を増強するのが難しくなっているためです。
しかし、工機開発課の仕事は、自社の生産性・量産性を高めるには重要な仕事でもあります。御社(不二工機製造)はそこの部分を補ってもらう、大切な外注先として認識しています。
自動車業界における変化への対応のため、外注先に求めること
花田様:今までは自動車関連部品をメインに量産してきましたが、近年はEV(電気自動車)化への対応を含め、新しい産業へのシフトが欠かせません。今までの内燃機関の自動車関連部品だけでなく、EVや他業種も含め新しい仕事を受注しようと開拓しているところです。
しかし、例えばギヤ関連であっても、今までとまったく異なるサイズや精度の製品を受注した場合、既存の生産設備や治具では対応しきれないものが出てきてしまいます。
また自動車関連部品でも、以前と比べ製品の立ち上がりまでの期間が非常に短くなっています。当社としては、そこをどうクリアし、お客様の要求に応えられるかが喫緊の課題になっています。
これまでの自動車関連部品用の生産準備と同じ考え方では、製品の立ち上がりが到底間に合いません。治工具の設計段階から、完成納期を意識したもの作りの図面化と社内設備の有効活用により、リードタイムの短縮が必要になってきます。固定概念は捨てないと。自動車部品以外のモノづくり概念そのものが変わってきていることを痛感しています。それに対応する変化が必要です。コスト・品質・納期にゴールはありません。常に課題です。
不二工機は「信頼できる外注先」
高精度で不良も過去にほぼない
花田様:不二工機製造への手配方式としては、部分(スポット)加工の手配もありますが、一貫加工でお願いすることが多いですね。私個人の所感ですが、御社に部品加工を依頼するに至った最初の経緯は、製品の品質や加工技術に信頼をおけることが一番の要因だと思います。どの加工でも、こちらの求める図面精度・品質的な要求に応じてくれています。
御社に仕事を出すときの決め手としては、加工設備が充実していて、かつそれらを使いこなす技術力があるからです。治具研削盤・治具ボーラー・ワイヤーカット・形彫り放電・5軸マシニングセンターなどの加工設備がありますよね。三次元測定や形状測定といった測定機器での品質管理や生産管理体制なども含め、あそこまでの会社はなかなかないですよ。非常に信頼できると思っています。
私自身、何度も工場見学をさせてもらっていて、私たちがうらやむぐらいの整った工場・設備を持っていらっしゃる。「困ったときには不二工機さん」という認識でいます。
一貫して依頼できることが魅力
花田様:御社に対しては、一貫して仕事の依頼ができ、納期や品質も管理してもらえるところが安心できると思っています。もちろん、社内の工機部門にも優先的に依頼をかけていますが、高精度な製品や短納期での対応が必要な場合に外注先に協力してもらっています。
そのような中、加工途中の製品が社内・社外を行ったり来たりすると、製作納期もかかり確認作業そのものに時間を要してしまいます。一社で一貫加工ができるというところは、御社のストロングポイントであり魅力であると感じています。
納得の加工精度で要求に応えてくれるパートナー
花田様:御社とのお付き合いは長く、協力会社として品質や納期に関しておおむね満足する内容で製品を納品していただいています。発注する側としては安心感があります。
当社でもワイヤー加工機は持ってはいるものの、作業人数や設備の台数の関係で仕事があふれてしまうことがあります。また、ワイヤーカット加工の仕事といっても、精度や加工内容的に必要な設備が限られます。例えばギヤ加工などの精度が必要な加工については、御社の技術力を頼っています。そういった面では非常に助かっています。明確な寸法精度を示すのは難しいですが、一般的にギヤ加工、歯車の加工は過去の実績も重要になってくると思っています。
これからも依頼し続けるために、お互いにメリットのある関係でいたい
花田様:当社でも納入後の受け入れ検査を行っていますが、そこで出た不具合内容や納期順守率はデータ化し、履歴として社内に報告させてもらっています。御社に関する不具合内容としては、「製品に磁気が残っている」や「実測値の記入ミス」といった細かい内容のみで、不適合や返品対象になるものはほとんどありません。
納期に関しては、技術部(設計)からの設定納期のため決め打ちになっています。ただ最近は作る製品も変わってきていて、その変化に対応していかなくてはなりません。先ほど話した通り、当社のお客様も厳しい競争環境下で常に技術と製品を更新しています。そうした要請に応えるためにも、御社には無理を承知で製作依頼をすることもありますが、これまでと変わらず可能な限り協力してもらいたいです。
コストについては、最近のエネルギー価格高騰による原材料費や電力費・人件費などあらゆるものが値上がりしていますよね。そこを下げるということは難しいと思っています。ただ、ずっと実践してきていると思いますが、加工の部分でコスト削減提案があればどんどん意見を打ち上げてほしいです。それによりコストや加工の手間が省けたり納期短縮ができたりすれば、お互いのメリットになるため提案してくれると助かります。
例えば以前、部品の材質をSKD11に変更したいと提案していただいたことがありました。その理由は、熱処理によりその部品に割れや歪みが発生する懸念があったからです。熱処理の不具合による知見はあまりなかったため、非常に助かった事例の一つでした。
工機開発課で製作するものは基本的に社内で使う部品であり、自分たちのお客様にあたる依頼者も社内の人たちなので、改善の相談ができます。VA提案してもらえれば部署内で検討ができるので、どんどん言ってほしいと思っています。
ただ、加工できるか分からないけど取りあえず依頼してみよう、というものも正直あります。そういったものは、お手間ですがその都度相談してもらえればと思います。
新分野への協力体制を期待!
花田様:御社に対しては、当社の新分野への変化の中で当社の求める製作納期や加工精度に対応してもらいたいと思っています。そしてこれまでと同様、当社の頼れる外注先として一緒にステップアップしていってほしいと願っています。期待しています!
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この記事を書いた人
- 2024年12月6日NEWS年末年始休業のお知らせ
- 2024年12月2日ブログ照明設備のLED化
- 2024年11月8日NEWSキーエンス製3Dスキャナ導入
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